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第4回キュービクル工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社キュービクルパートナーズ、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~メンテナンス~

ということで、キュービクルメンテナンスの重要性と特徴、具体的なメンテナンス方法、長寿命化のポイント について詳しく解説します♪

 

キュービクル(高圧受電設備)は、商業施設・工場・オフィスビル・病院などで 安定した電力供給を支える重要な設備 です。しかし、メンテナンスを怠ると故障や事故につながり、停電による業務停止や高額な修理費用が発生するリスク があります。

適切なメンテナンスを行うことで、キュービクルの耐久性を高め、トラブルを未然に防ぐ ことが可能になります。


1. キュービクルメンテナンスの重要性

① 停電や電気事故の防止

キュービクルは高圧電力を低圧に変換する設備であり、機器の劣化や異常が放置されると、電気事故や停電の原因 になります。

⚠️ メンテナンス不足によるリスク

  • 絶縁劣化 による短絡(ショート) → 火災の発生
  • 遮断器やブレーカーの故障設備全体の停電
  • 変圧器の異常過電流・異常発熱による設備損傷

これらのトラブルを防ぐために、定期的な点検・メンテナンスが必須 です。


② 設備の長寿命化と修理コストの削減

キュービクルは通常 20~30年 使用できますが、適切なメンテナンスを行うことで 30年以上の運用も可能 です。

🔹 メンテナンスを怠ると…

  • 機器の摩耗が進み、交換サイクルが早まる(高額な修理費用が発生)
  • 突発的な故障で緊急対応が必要になり、コストが増大
  • 電力会社の点検で不適合が発覚し、改善指示が出る

🔹 メンテナンスを実施すると…
✅ 部品の摩耗や劣化を早期発見し、計画的な交換が可能
✅ 絶縁性能を維持し、火災や停電リスクを低減
結果として、設備全体の耐用年数が延び、コスト削減につながる


③ 法定点検の遵守(電気設備の安全確保)

電気事業法に基づき、キュービクルを設置している事業者は 定期点検を実施する義務 があります。

⚠️ 法定点検を怠ると…

  • 行政指導や罰則の対象になる
  • 万が一の事故発生時に責任を問われる

電気主任技術者を選任し、年次点検(停電点検)と月次点検を適切に実施することが必要 です。


2. キュービクルメンテナンスの特徴と点検項目

① 日常点検(自主点検)

頻度:毎月1回

🔹 主な点検項目
外観点検(キュービクルの腐食・サビ・異常な発熱や焦げ跡の確認)
異音・異臭のチェック(「ジリジリ」「パチパチ」という放電音や焦げ臭いニオイがないか)
計器類の数値確認(電流・電圧・温度が正常範囲内か)
換気口や通気口の詰まりチェック(ホコリや虫・小動物の侵入を防ぐ)


② 年次点検(停電点検)

頻度:1年に1回(電気主任技術者による点検)

年次点検では、キュービクルの内部機器を詳細にチェックします。

🔹 主な点検項目
絶縁抵抗測定(変圧器・遮断器・母線の絶縁性能確認)
遮断器・開閉器の動作試験(適切に作動するかチェック)
接地抵抗測定(アースが正常に機能しているか)
避雷器の点検(雷サージの影響による劣化の確認)

⚠️ 停電が必要なため、事前にスケジュール調整が必要 です。


③ 5~10年ごとの大規模メンテナンス(機器更新)

キュービクルの内部機器は経年劣化するため、定期的な交換が必要です。

🔹 交換目安

機器 耐用年数 主な劣化症状
遮断器(CB) 15~20年 開閉不良・トリップ異常
変圧器(T) 20~30年 絶縁劣化・異常発熱
避雷器(LA) 10~15年 落雷の影響で劣化
コンデンサ 10~15年 容量低下・発熱

3. キュービクルのメンテナンスを適切に行うポイント

電気主任技術者を選任し、法定点検を確実に実施する
定期点検を計画的に行い、機器の交換時期を把握する
部品交換や修理の履歴を記録し、老朽化の進行を管理する
湿気対策・防錆塗装・換気管理を徹底し、設備の劣化を防ぐ


4. まとめ:キュービクルの安全と長寿命化のために

メンテナンス頻度 点検内容 目的
毎月(自主点検) 外観・異音・計器確認 初期異常の早期発見
年1回(法定点検) 絶縁測定・遮断器試験 設備の安全性確保
5~10年ごと 遮断器・変圧器の更新 設備寿命の延長

キュービクルは、適切なメンテナンスを行うことで長期間にわたり安全に使用できます。メンテナンスを怠ると事故や停電のリスクが高まるため、定期点検を確実に実施し、安全で安定した電力供給を確保しましょう!

 

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